【歌詞考察】BUMP OF CHICKEN「ウェザーリポート」の歌詞がこわい?

隠れた名曲/歌詞考察

BUMP OF CHICKENといえば歌詞に注目されることが多いですよね。

その中でも非常に考察が難しいのが「ウェザーリポート」です!

(2010年にリリースされたアルバム「COSMONAUT」に収録)

こわい歌詞なのかどうか?考察を紹介していきたいと思います。

「ウェザーリポート」ってどんな歌?

バンプといえば物語のような歌が多いことで有名です。

この曲も、主人公ともうひとりの登場人物の物語のような描写からスタートします。

雨上がり差したまんま 傘がひとつ

決まり通り色を踏んで 濡らした紐靴

マンホールはセーフね 帰り道で

いつも通り傘の中 笑顔がふたつ


作詞:Motoo Fujiwara
作曲:Motoo Fujiwara

この冒頭の歌詞からも想像できるように、2人の子どもが雨上がりの帰り道で

地面の模様を飛び越えるような遊びをしているようです。

(マンホールはセーフね!って子どものとき言ったことがある気がしますね・・・!)

ここだけ見ると楽しそうな情景にも思えますが、この後の歌詞で一変します。

何も言えないのは 何も言わないから

あんな事があったのに 笑うから


作詞:Motoo Fujiwara
作曲:Motoo Fujiwara

主人公の友達らしき相手が明らかに無理をして笑っているようなフレーズが出てきます。

憂いが漂う歌詞なのにも関わらず、曲はテンポの良いものになっているのも特徴的です。

歌詞の考察のポイント

この歌詞を考察するときにポイントとなるのは下記の3点です。

  • もうひとりの登場人物は自殺してしまったのか?
  • 登場人物はひとりなのか?ふたりなのか?
  • 伝えたいことは何なのか?

もうひとりの登場人物は自殺してしまったのか?

無理をして笑っている描写を先程紹介しましたが、そのあとにもやはり

もうひとりの登場人物である友達らしき人が傷ついている様子が続いて出てきます。

夕焼けに差したまんま 傘がひとつ

見慣れた横顔 初めて見た様な 傷付いたその時を 近くで見ていた

この目の前でだって 笑おうとするから

作詞:Motoo Fujiwara
作曲:Motoo Fujiwara

今回はこの友達らしき人が傷付いているというだけではなく、

主人公がその現場を”近くで見ていた”という事実が出てきます。

そしてCメロではこんな心情も語られています。

触れないのが思いやり そういう場合もあるけど

我ながら卑怯な言い訳 痛みを知るのがただ怖いだけ

作詞:Motoo Fujiwara
作曲:Motoo Fujiwara

これは、傷付いている理由まで知っていながら何も声をかけられない、

助けてあげられない葛藤や後悔を表しています。

そして最後のサビの前にはポイントとなるこんなシーンが描かれています。

最終下校時刻のチャイムが遠く 車屋の前の交差点で また明日 じゃあね

国道の川を渡って やっぱり振り向いたら マンホールの上に立って 傘がくるくる

あなたのあの笑顔が あなたの心を隠していた

あの傘の向こう側は きっとそうだ 信号は赤

作詞:Motoo Fujiwara
作曲:Motoo Fujiwara

このシーンを聴いたとき、真っ先に思い浮かべたのが友達らしき人の”死”でした。

主人公が嫌な予感をして振り向いたら、赤信号の交差点で車にひかれてしまった

友達らしき人と、持っていた傘が放り出されてマンホールの上に乗っかっている・・・。

軽快なメロディーとは裏腹の結末に衝撃を受けました。

しかし本当にこの結末は正しいのでしょうか?

ここでもうひとつの可能性も見ていきたいと思います!

登場人物はひとりなのか?ふたりなのか?

ここまでは”主人公”と”友達らしき人”のふたりが登場している想定の解釈をしてきました。

では本当にふたりの登場人物がいたのでしょうか?

実は最後の歌詞の部分を見ることで少し解釈が変わってくるのです。

あなたのその呼吸が あなたを何度責めたでしょう

それでも続く今日を 笑う前に 抱きしめて欲しい 抱きしめに行こう

車屋の前の交差点で ショーウィンドウに映る

相合傘ひとりぼっち それを抱きしめた

自分で抱きしめた

作詞:Motoo Fujiwara
作曲:Motoo Fujiwara

このフレーズにもある通り、ショーウィンドウに映っているのは

傘の中にいる自分のひとりだと想像できます。

そして最後も「自分で抱きしめた」と締めているように、

“もうひとりの自分”との物語だという解釈もできるのです。

今まで悲しんでいたのも、それを隠して無理をして笑っていたのも

すべて一歩踏み出せない自分自身。

くるくる回っている傘の向こう側で見えた赤信号は、

隠れていた自分自身の気持ちを表していたのではないかと思います。

赤信号に気づいて、ようやく一歩前に踏み出したことを

「自分で抱きしめる」という言葉で表現しているのではないでしょうか。

まとめ

BUMP OF CHICKENは歌詞が特徴的な曲が多いですが、

特にこの曲は解釈が様々わかれる難しい歌詞だと思います。

最初はゾッとするような表現に思えた部分が、

解釈を進めていくうちに勇気を貰えるような印象に変わるのは面白いですよね。

ぜひみなさんも別の視点も踏まえて読み解いてみてはいかがでしょうか。

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